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その10

まず,山形大学の高橋眞映名誉教授によって与えられた定理とその完全な証明を振り返って置こう:

定理.  を実数全体として, $F$ を R$\times$R から R への写像(2変数関数)で,全ての実数 $a,$ $b$, $c$, $d$ に対して
$F(a,b)F(c,d)=F(ac,bd)$
および $b$ がゼロでない限り,
$F(a,b)=a/b$
とする。このとき,$F(a,0)=0$ が導かれる。

証明.  実際,
$F(a,0)=1F(a,0)=(2/2)F(a,0)=F(2,2)F(a,0)=F(2a,0\times 2)=F(2a,0)$。よって $F(a,0)=2F(a,0)$,ゆえに $F(a,0)=0$。

この定理で,$F(a,0)$ を $a/0$ と定義するのは自然であり,実際,そう定義する。ここは大事な論点で,チコノフ正則化法や道脇方式で既に $a/0$ が定義されていれば,もちろん,定理では $F(a,0)=a/0$ が導かれたとなる。

定理は分数の積の性質 $(a/b)(c/d)=(ac/bd)$ を持つもので,分数をゼロ除算に(分母がゼロの場合に)拡張する,如何なる拡張もゼロに限る $a/0=0$ ことを示している。これは,拡張分数の基本的な積の性質 $(a/b)(c/d)=(ac/bd)$ だけを仮定(要請)すると,ゼロ除算はゼロに限る,すなわち,$a/0=0$ を示しているので,その意義は決定的であると考えられる。一意性定理とは,そもそも何,何で定まるとは,その,何,何が定める性質の本質を捉えていて,導いた性質の本質,そのものであると言える。

高橋の一意性定理だけで,数学はゼロ除算 $100/0=0$, $0/0=0$ を確定せしめていると言えると考えられる。実はこの大事な定理自身は論文にもそのまま記述されたにも関わらず,共著者名に高橋の名前が高橋教授の希望で載っていない:
M. Kuroda, H. Michiwaki, S. Saitoh, and M. Yamane,
New meanings of the division by zero and interpretations on $100/0=0$ and on $0/0=0$,Int. J. Appl. Math. Vol. 27, No 2 $($2014$)$, pp. 191-198, DOI: 10.12732/ijam.v27i2.9.

ところが,高橋教授がゼロ除算の一意性を証明したと当時アヴェイロ大学にポスドクで来ていた,イタリアのM. Dalla Riva博士に伝えたところ,そんな馬鹿な,反例を作ると猛然と挑戦したのであるが次々と失敗を続けていたが,当日帰る頃,驚いて高橋の結果は正しいと独自に定理を発見し,証明した。そこで,いろいろ経緯があって,共著で論文を書こうと提案したところ,ゼロ除算そのものの研究は意味がないとして,論文と研究には参加せず,彼の結果は,齋藤のものとして良い(齋藤にあげる)となった。彼らのあるグループ間ではゼロ除算は意味がないということで,意見が一致したというのである。これは数学が正しくても意味が無いという,見解の人たちが存在する事実を述べている。アヴェイロ大学でもそのような意見であったので,アヴェイロ大学では,ゼロ除算は研究できない状況になっていた。それらの思想,感覚は,アリストテレスの世界観が宗教のように深くしみわたっていて,universe は不連続なはずがないという事である。ゼロ除算における強力な不連続性は受け入れられない,ゼロ除算はまるで,恐ろしい魔物をみるように議論しても,発表してもならないと数学教室の責任者たちに念を押された事実を真実の記録として,書き留めて置きたい。


独立に証明された,Riva氏と高橋教授は,自分たちの得た定理の重要性を認識していなかったように感じられる。他方,齋藤は,最初から今もなおその素晴らしさに驚嘆して感銘させられている。
2015.2.2.ゼロ除算の発見1周年記念にゼロ除算の発展経過をアヴェイロ大学の責任者たちに報告したのであるが,上記の認識は全然変わっていないことが判明した。そこで,この問題は数学の問題ではなく,好みや世界観の感情の問題であるとして,ゼロ除算については当分交流しないこととした。

高橋の一意性定理の発想は凄い創造性であると驚嘆させられるが,Riva氏が5時間くらいで,一意性が得られたことを知らされて独立に得た事実も凄いのではないだろうか。どうして積の性質を仮定したのだろうか。

次回は,面白いゼロ除算に於ける山根の解釈 $100=0\times 0$について述べたい。

以下,次号











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