円と曲率―ゼロ除算 $z/0=0$ から導かれる道脇裕氏の解釈
底円の半径がである直円錐を考える。それを半径の底円に平行な円で切る。2つの円板の間の距離を $d$とする。このとき、直円錐の頂点と底円板の間の直円錐の表面上での距離 $R$ はEM半径と呼ばれ、道脇愛羽(8歳)さんが計算され、
$$
R=\frac{r_2}{r_2-r_1}\sqrt{d^2+(r_2-r_1)^2}
$$となる。これは2つの円板で囲まれた部分の平面上での回転を考えたときに、底円が描く円の半径を計算されたものである。
半径Rの円の曲率は $K=K(R)=1/R$ で定義される。いま、$r_1$ が $r_2$ に近づいた場合を考える。もちろん、$d$ を一定にしてである。まず、極限値を考えれば、$R$ は無限大に発散して、底円が描く円は直線に近づき、実際、$r_1=r_2$ の時は底円が描く円は直線になり、回転体は直線運動を行うことが分かる。
ところがゼロ除算は、$r_1=r_2$ のとき、愛羽さんの公式は意味を有し、$R$ がゼロであることを言っている。それは、一体何を意味するだろうか。ゼロ除算は $K=K(R)=1/R$ が $R=0$ でゼロ と言っているから、その時の曲率がゼロ、すなわち、極限の場合と同様に、底円が描く円は直線になり、回転体は直線運動を行うことを述べている。
いまの場合、極限で考えた極限値とゼロ除算、すなわち、$R=0$ 自身の結果が同じことを述べている。
この現象は、ゼロ除算が現実の現象を良く表現しているものと考えられる。
同時に、半径ゼロの円(点)の曲率がゼロであることをよく、表している。
上記、回転体の運動の例は、ゼロ除算の強力な不連続性をよく捉えたものとして、大変面白いのではないだろうか。
$r_1$ が $r_2$ に近づいた場合と、一致した場合の発現の様は微妙で堪らなく楽しい。
以下次号
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